とある合気道の修行者ブログ

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この令和時代で武道をどうとらえるか?

こんにちは!

 

さて今回は今までとは方向を変えて令和時代での武道について考えてみたいと思います.

あくまでも私個人の考えであるということをご了承願います!

 

いきなりですが,みなさんにこんな質問をしてみましょう?

今の世の中って平和ですか?

 

残念ながら平和な世界であると我々が断言することはできないのかもしれません.世界では常にどこかで争いが起こっています.それは人種・宗教・政治などあらゆる原因を内包しています.私たちが心の中で思う真の平和というのは訪れることがあるのでしょうか.

 

ということはさておき,みなさんは武道というのをどのように捉えられているでしょうか?

 

「なんか一瞬で相手をぶっ倒してるイメージ」

「オリンピックで相手を背負い投げしている」

 

といった,試合で勝敗を決めるのもの,胴着を着ている,というイメージが強いのではないかと思います!

確かに,武道がどの程度身に付いたのかということを勝負(試合)で決めるというのもあるでしょう!

 

でも,武道というのは勝負することが本質なのでしょうか??

 

ということで,武道についてここらで考えてみましょう!

 

武道というと戦国時代や江戸時代から存在していたと思われがちですが,実は武道の登場は明治時代とされているのです.意外と最近なのです.

それまでも原型はもちろん存在していました.この時は『古武道』と呼ばれていました.古武道では合戦,護身など戦闘で必要なスキルを鍛錬することが求められました.つまり殺傷能力を伴うようなスキルです.

 

古武道の始まりは弥生時代から始まっていますが,平安時代の護衛から生まれた『武士』の台頭によって本格的に展開されたのではないかと思います.

 

時代をさらにすすめて戦国時代.剣術はさらに発展しており,より高度な戦闘スタイルとなっていました.また,各家では秘伝と言える術を密かに作り出し,継承するといったことも行われていました(合気道の原型もこの頃生まれたのではないかと言われています).

 

江戸時代に入ると状況が変わります.はじめの頃こそ内戦が起こっていたものの,中期や後期になると大きな戦争は起こらなくなりました.流派というのはこの頃から生まれたと言われ,武術は趣味として広まっていきました.また多くの流派が生まれる中で,共通するもの同士では道具やルールが統合・統一されるなど体系化もされていきました.

 

さて,明治時代に入ると武術というのものは次第に活躍の場を失っていきます.明治維新後では鉄砲などの新たな兵器が開発され,戦闘としての武術が必要なくなってきたためです.

 

明治15年嘉納治五郎が『柔道』を創設しました.この頃から武術ではなく『武道』とすべきではないかという意見が出始めます.武術では戦闘スキルのみ重視され礼儀などのいわゆる精神面の育成が疎かになってしまうのではないかと考えられたのです.

そして武術は『武道』として精神面の育成が取り入れられたのです.

 

ここまで簡単ではありますが武道の発展について説明してきました.

 

少なくとも私たちの周りで大勢の人間が命の奪い合いをしているという光景は見られません.令和時代においても,戦術によって相手を殺傷するといったことは必要がないということです.

では令和時代での武道というのをどう考えるべきか.私もまだまだ考えがまとまっていないですが,おおよそ次のようなことではないかと思っています.

 

1.礼儀

武道では礼儀作法というものを徹底的に教わります.相手を尊敬すると自然と礼儀が身につきます.自分や相手に優劣をつけるのではなく,相手を敬い接すること.それを心と体で示す方法が礼儀です.

 

2.健全な肉体と健全な精神

『健全な肉体に健全な精神が宿る』.どこかで聞いたことがあるでしょう.武道では技の習得を通して健やかな肉体を手に入れることができます.そして各武道の哲学や心構えをとおして健やかな精神を育てます.これは令和時代においても変わることはないでしょう.

 

3.強くなる

武道を習いたいという方の多くの理由がこれではないかと思います.そして強くなるというのは鋼のボディを手に入れるということではありません(もちろん!鋼のボディになるまで鍛錬することは大事です!笑).私は精神的な強さだと思っています.武道を通して自分が強くなる.すると精神的にも強くなっていきます.私もかつて喧嘩で負けたということがありました.合気道を通して,自分が強くなっていくことを自覚すると,自然と精神的にも「何かあっても負けない」という精神が身につきました.また,合わせて集中力もつきます.精神的にタフになること,これは世の中で生きていくために重要なスキルの1つということだできるでしょう!

 

以上のように,直接的に日常に結びつくものもあれば,かなり間接的に効果を発揮するものもある,これが令和の武道ではないかと考えています.技を直接使うなんて機会はおそらくほぼないでしょうし,ないに越したことはありません.私は特に武道の精神的側面を令和時代で重視することが重要であると考えます.

 

 

さていかがだったでしょうか?今回は武道について改めて考えてみました.戦闘能力を鍛える必要がなくなった昨今では,武道は精神的側面が重要になってくるのではないかと考えました.もちろん人によって武道の解釈というのは様々ですし,決定づけるようなものでもないでしょう.ただ,武道とは何かという疑問を常に持ち続け,自分なりの考えを手に入れることが大事だと思います.みなさんも武道を通していろいろなことを学ぶ機会となることを願っています.

 

ではでは,今回はここらへんでお暇いたします.