地政学と合気道 -戦略をもって相手を制す-
こんにちは!
今回は地政学と合気道という組み合わせでお話したいと思います!
かなり変わった組み合わせですが,何か共通点を頑張って探していきたいですね笑
みなさんは地政学という学問をご存知でしょうか?
地政学というのは,地理的な環境による軍事的・政治的・経済的な影響を研究する学問です.
学校では地理を習ったことがあってもそれを戦略に活かすといったことはなかったかと思います.
勉強してみると,今の世界がしっかりわかるようになるのでかなり面白いです!世界と日本の関係・世の中の情勢を知りたいという方はぜひ学んでもらいたい学問です!
ということで,今回は地政学の紹介がメインになりそうですがよろしくお願いします笑.
ただし諸事情により日本以外の具体的な国名を出すのは避けます....
・自然地形はそれだけで要塞となる
まずは地理の復習を軽くしてみましょう.私達の住む日本はユーラシア大陸の東側に位置しています.ユーラシア大陸の西側にはヨーロッパ,ヨーロッパの南側にはアフリカ,海を挟んで北アメリカ・南アメリカがあります.
世界には様々な国がありますが,大陸に国境がある陸国と,海が国境になっている島国などがあります.日本は典型的な島国です.
世界地図を眺めてみると,国境が自然地形上にある国があります.山脈や川などがあたります.山頂や川の真ん中を国境としている場合が多いですね.これは地政学で見ると,侵略などが困難であることを意味します.
自然地形というのは地政学上ではかなり重要な要塞になります.
もし6000m級かそれ以上の山脈が国境にあったとしたら,これを超えて他国に侵入しようと試みた場合,高山病にかからない・素早く山越えできるなどより高度な訓練をしなければなりません.
また経済的に連携しようとしても,ルートが確保しにくいと貿易ができません.
このように,自然地形は要塞として機能する場合が多いです.
日本は全体が海に囲まれているため,他国が簡単に侵略できない要塞となっています.日本史を見ても他国に侵略されそうになったのはたったの2回しかありません.海というのはかなり強靭な要塞です.
ではもう少し地政学っぽい用語を説明していきます.
・ランドパワーとシーパワー
ランドパワーとは、陸上における交通路・防衛・経済拠点・輸送力・様々な技術を支配・利用する能力です.いわゆる大陸国家です.
対してシーパワーとは、海上における交通路・防衛・経済拠点・輸送力・様々な技術を支配・利用する能力です.いわゆる海洋国家です.
日本は海洋国家です.しかも経済水域を合わせると世界的に見てもかなり強大な海洋国家になります.貿易路も基本的には海洋にあり,要となるポイントはしっかり抑えています.また沖縄の基地などはアジア国の各拠点から近く,抑制のための重要な拠点となっています.
ランドパワーとシーパワーは両立が難しいとされており,どちらかの勢力に属することになります.
・チョーク・ポイント
チョーク・ポイントとは『相手を苦しめることができるポイント』のことを表します.
下の図を見てください.B国がA国を経由したり貿易しようとした時,必ずあるポイントを通らなければならないとします.このポイントをA国が支配していた場合,B国はA国の許可なく通ることができません.もし両国が戦争状態に入った場合,ここを封鎖するだけでA国はB国に致命的なダメージを与えることができます.
世界を見るとチョーク・ポイントは数多く存在することがわかります.
「均衡勢力」であり,自分の国よりも強大な国をつくらないようにする戦略です.例えばA国に対してB国が勢力を増してきているとしましょう.するとA国はB国の次に勢力を増しているC国と提携してB国の国力を削ぎます.
追い上げをしている国よりも低いレベルの国と連携して潰し,常に勢力を安定させるというものです.
・世界ではどうして紛争が絶えないのか
国際ニュースなどが流れると,どこそこで過激派勢力が攻撃したとか,紛争が発生したというようなニュースを聞くことがあると思います.
もちろん様々な理由があって紛争が発生するわけですが,地政学的にみると紛争が発生しやすい地域には特徴があることがわかります.
それが「ハートランド」と「リムランド」です.
ハートランドというのはユーラシア大陸の心臓部分にあたります.寒冷な地域ですが広大な土地であり,また背後に北極海があるので攻めにくい構図になっています.対してリムランドは海岸線に沿った沿岸部にあります.温暖で雨量も多い地域になります.
基本的にはハートランドの国はランドパワーになり,リムランドの国はシーパワーになります.この境界に位置する国は両者がぶつかるので紛争が発生しやすくなっています.
・拠点を効率的につくる
バランス・オブ・パワーによって敵対勢力をつくらないことは重要ですが,そのまま放置しているとどんどんと大きくなってしまう可能性もあります.そこで大事になってくるのが「拠点」をつくることです.
今回はシーパワーでの拠点のつくり方を見てみましょう.まずシーパワーでは船による貿易ルートが考えられます.するとチョーク・ポイントを通る可能性が出てきます.ここを敵対勢力に奪われてしまうと自由に貿易することができません.したがってまずこのチョーク・ポイントは確実に拠点をつくる必要があります.
次になるべく多くの国が射程圏内に入るようポイントを抑えることです.例えば沖縄の基地というのはアジアの多くの主要都市が射程圏内に入るかなり優れたポイントです.どこでも拠点をつくればいいというわけではありません.つくればつくるほど防衛費がかさんでしまいます.効率よく拠点をつくるということも大事なのです.
・備えるということ
なかなか合気道と紐づけるというのも難しかったのですが,共通するポイントはどちらも「備える」ということです.
合気道をもし実践として使用しなければならない場合,しっかり稽古をしていなければ技がとっさに出てこないでしょう.また場合によっては変則技のようなことをする必要が出てくる可能性だってあります.そんな時にしっかりと技を練習していれば何かを組み合わせて新しい技をつくりだすことだって可能です.
国を護るということ,自分を護るということ,スケールは違いますがやることは同じです.護るということをしっかりと研究することです.世の中は絶えず変化していきます.新しく対応しなければならないことだってあります.常に「自分を護るとはどういうことなのか,今の時代にどんな対策が必要なのか」ということを常に考えることが大事なのではないでしょうか.
さていかがだったでしょうか.地政学と合気道という組み合わせでお話してきました.
まぁ個人的に地政学が面白かったので皆さんに紹介したかったというのが大きいので,合気道との紐付けがおまけのようになってしまいました笑.
でも護るとはどういうことなのかを考えることってとても大切だと思います.
残念ながらこの世の中は皆が善人というわけではありません.また大きな動きに飲み込まれてしまうことだってあります.
そんな世の中で私たちが平和に生きていくためにはどうすればいいのか.それをみんなで議論するということが大事なのではないでしょうか??
ではでは.今回はここらへんでお暇いたします.