とある合気道の修行者ブログ

ようこそ!合気道のあれこれについて気ままにつぶやくブログになっています.ゆっくり見ていってください

私がマスターしたい奥義についてご紹介します.

こんにちは!

 

今回は私がマスターしたい合気道の奥義についてご紹介いたします!

 

合気道には様々な奥義があると思いますが,私は「気配を消す」系の奥義を身につけたいと考えています(自分が言うと漂う厨二感笑).

 

馬鹿め!それは残像だ

ざ,残像だと!?

 

など,「残像」という言葉は漫画等でよく使われています.

これを合気道をマスターすれば何とか再現できるのではないかと考えています.

というのも,私が通っている道場の師範がそれに近いことをしているからです!!

 

今回はそのメカニズムについて私の知識をフル稼働させて考察していこうと思います.初めに断っておくと,あくまでも私独自の視点です.そこだけはご容赦ください.

 

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残像だ.

 

さて,私の師範がそのような技(以降奥義と呼びたいと思います)をしていることは事実なので,現実に起こる事象であることは疑いようもありません.

何となくですが,脳の錯覚を利用することでできるように感じます.

しかしじゃあやってみろと言われてもとてもできるものではありません笑

 

私は師範の元で7~8年修行していますが,何となくこういうことなのか?というところまではきました.まだまだマスターするには年月が足りませんが.

 

・入り身や捌(さば)きをマスターする

合気道には入り身や捌きといった重要な動きがあります.これは相手の力を斜めに受け流しつつ自分が有利なポイントに移動するための動きのことです.

 

捌きは流派によって様々あるかと思いますが,手を当てた時に相手の力を吸収する・手をぶつけると見せかけてスッと避けることにより相手のバランスを崩す・円運動を利用して身体を180度回転させる動きの中に相手を巻き込むなどです.

 

入り身は相手の打込み(殴る,手刀など)に対して斜め前に入り込むことによって攻撃を交わし,また相手の死角に入ります.そのまま肩をもってバランスを崩せば入り身投げという技になります.

 

この2つというのはやればやるほど難しいと感じるかと思います.力の受け止め方・受け流し方・入り込むタイミングなど気をつけるべき要素が多いからです.

 

私はこの2つに奥義を達成するための要素があるのでは?と予想しています.

 

・こちらの動きを相手に悟らせない

何回も稽古していると,ある瞬間の技に,とっても軽い力で簡単に相手を倒せた,といった体験をされた方もいるでしょう.

ここで私は考えました.

「本当に技が効いた時って,すごく軽いのではないか?あと相手の動きがズレてるように感じたなぁ...」

どうやらこの考えは間違いではないようで,上手くいくときはびっくりするくらい技が軽く感じます.

 

しかし私は長い間モヤモヤしていました.どういう理論でこのような現象が起きるのかわからなかったからです.「気の力だ」と言ってしまえばそれまでなのですが,やっぱり理論を解析したかったので...

 

相手にこちらの動きを悟らせないということはとても重要であることに気づきました.そこで日常の動きを視点を変えて眺めてみると,人の歩き方にかなり特徴があることが判明しました.

 

人が普通に歩くと,少しですが身体が上下しています.これは人間が二足歩行していることに理由があります.人間は重力を巧みに利用して動いています

足を上げて前に進もうとする時,身体には重力がかかっているわけですが,「ふりこの運動」を利用して重心の動きが前に進む時に重心を下げてスピードを上げています.足を上げた際にはスピードが緩みます.この重心の上下運動を使って推進力を生み出しているのですね!

 

確かに重心の利用は歩く際にはとても有効です.しかし!合気道をする際にはこの動きは致命的です

なぜならば,相手にこちらが動いたということを悟られてしまうからです!合気道に慣れれば慣れるほど,相手の微妙な動き(例えば足の動きや肩の力など)を感じることができるようになります.ということは慣れた相手に合気道の技がかかりにくくなるということです.

 

※余談ですが,合気道は技をするよりも技を受ける方法が先に身につきます.相手の技を受けられるようになったときは,意地悪をするのではなく「この技だったら倒れにくいな...だったらこうすればかかりやすいか?」というように勉強として受けるようにしてくださいね!

 

ここで登場するのが能や狂言の動きです.そろりそろり〜が昨年流行っていましたが,腰を固定して上下しないように膝のクッションを利用して前に進む動きですね!

合気道の袴は足の動きを悟らせないようにするのが目的ですが,まさにこの膝のクッションによる滑らかな動きが袴の中で行われています.

 

※過去に袴を履く理由について記事を書いています.よければこちらの記事にも覗きにきてください!

aikitommy.hatenablog.com

 

・人間の感覚を騙す

能や狂言の動きにはもう一つの旨味があります.

それは「相手の三半規管を騙せる」ことです!

人間は5感という感覚が備わっていますが,均等に使っているわけではありません.およそ以下のような割合となっています.

視覚:80~85%

聴覚:7~11%

嗅覚:3.5%

触覚:1.5%

味覚:1.0%

 

人間がいかに視覚に頼っているかがよく分かりますよね

 

ということは,割合で上位2つにあたる合気道の技で視覚と聴覚を騙すことができれば最強の技ができるのではないか?というわけです.この2つを騙せたら90%の割合で相手を騙せていることになりますから,かなり有利です.

 

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※追記

人の視覚と触覚を利用した「ラバーハンド実験」というものがあります.

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ラバーハンド錯覚

実験の概要を説明します.

まず,机の上に手を置きます.手の横には仕切りを立て,手の模型を置きます(ゴム製の手を置くことからラバーハンドと呼ばれているようです).

次に,相手は自分の手と偽物の手に同時に筆を触れさせます.この動作を何回も繰り返します.

最後に偽物の手だけに筆を触れさせます.すると何ということでしょう.自分の手でもないのに筆が触れているように感じるのです!!

さらに過激なものになると,金槌を用意して偽物の手を叩きます.被験者は悲鳴をあげて自分の手を引っ込めます笑

自分の手ではないとわかっていながらも,自分の手を叩かれたように感じるのですね.

 

いかに人間の感覚というのが曖昧かということがよくわかる実験となっています.

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合気道で関わる感覚は視覚(主に相手の動きを見る),聴覚(バランス感覚で自分の重心を支える),そして触覚(手などを触られる感覚)です.

合気道だと触覚が敏感になるように思われがちですが,意外と触覚は鈍感です.例えば,指2本で触られているか,3本で触られているかを瞬時に理解するのは結構難しいのです.

 

ということは,とりあえずは視覚とバランス感覚をごまかせたらこちらが有利な技を繰り出せるわけです!

 

ここで先程の能の動きを思い出してみましょう.こちらは膝のバネを使って歩く時に上下に動かず前進します.ということは相手には想定とは異なる動きをしているというのが見えます.相手としては何をするかわからない不安・恐怖で身体がこわばります.加えてバランスが変化しないことからどう重心を支えればいいのかわからなくなります.こうなってしまえば相手はなす術なく動かされるままになることになります.

個人的には,この感覚が「残像だ」の動きに近いです.動いているのはわかっているのに動けない.まさに最強だと思いませんか??

 

 

 

さていかがだったでしょうか?今回は私がマスターしたい奥義についてご紹介いたしました.

まだまだ若輩者でマスターするには何十年とかかりそうな予感がします笑.

でも漫画みたいな技をしてみたいという若い心は常に絶やすことなく合気道の稽古に励んでいきたいと思います!

 

ではでは.今回はここらへんでお暇いたします.