鬼滅の刃と合気道 -呼吸法をマスターせよ-
こんにちは!
以前に「合気道の立場から鬼滅の刃を分析してみた」という記事を出しましたが,さらに鬼滅の刃について考えていきたいなーということで第二弾の記事を作成しました!
※前回の記事については以下からアクセスしただければと思います!まだご覧になっていない方は先にそちらをご覧になっていただくことをお勧めします!
前回は【全集中の呼吸】について軽く見ました.
全集中の呼吸について真菰(まこも)ちゃんのセリフをもう一度おさらいしてみましょう!
『全集中の呼吸はね,身体中の血の巡りと心臓の鼓動を早くするの.そしたら体温が上がって人間のまま鬼のように強くなるの.とにかく肺を大きくすること.血の中にたくさんたくさん空気を取り込んで,血がびっくりした時,骨と筋肉があわてて熱くなって,強くなる.』
…といった感じでご説明しましたが,全集中の呼吸は種類がたくさんあるようで,具体的に知りたいなとなりました.
ということでまずは柱の方が使う全集中の呼吸についてまとめてみたいと思います!
まず,鬼滅の刃の世界観というのは1人の強大な鬼によってつくられた鬼達が人間を襲い,鬼殺隊という鬼専門の討伐部隊が鬼達を倒していくという形になっています.特に鬼殺隊の中でも最強の剣士は【柱】と呼ばれており,呼吸によって呼び方が違います.
例えば【水柱】は【水の呼吸】という呼吸を用います.アニメや漫画では実際に水が渦巻いていたりしていますが,実際には水が剣から吹き出しているわけではなく,『対象者がそういうイメージに感じる』という設定のようです.
では柱達が使う呼吸についてみていきましょう.
※以下はアニメや漫画でのネタバレが含まれています!!見たくないという方はここでブラウザバックしてください!また,終盤に関わるネタバレについては伏せている部分もありますので,そこはご了承ください笑
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まず,呼吸は『水の呼吸』『雷の呼吸』『炎の呼吸』『風の呼吸』『岩の呼吸』の5つに分かれています.
『水の呼吸』からは『花の呼吸』『蛇の呼吸』,
『花の呼吸』からは『蟲の呼吸』,
『炎の呼吸』からは『恋の呼吸』,
『風の呼吸』からは『霞の呼吸』,
『雷の呼吸』からは『音の呼吸』
がそれぞれ派生しています,
また『獣の呼吸』『月の呼吸』といった我流や鬼殺隊以外が使う呼吸も存在しています.敵側が上記の呼吸を使うといったこともあります.
それぞれの呼吸はどのようなタイプの人に相性がいいのでしょうか?
水の呼吸:性格が穏やかな人と相性がいい
炎の呼吸:熱い情熱を持った人と相性がいい
岩の呼吸:どんなことにも動じない芯がある人と相性がいい
風の呼吸:気性が荒い人と相性がいい
雷の呼吸:激情など,瞬発力に関係がある感情に特徴がある人と相性がいい
派生した呼吸についても基本の5つの呼吸と相性が同じなのではないかと思います.
具体的な呼吸における型などについては他サイトの皆さんにお任せするとしますが,少し各呼吸でどのような方があるのかについて見てみましょう.
水の呼吸 壱の型:水面斬り(みなもぎり)
刀を真一文字に払うことによって攻撃する.
雷の呼吸 壱の型:霹靂一閃(へきれきいっせん)
超高速で踏み込み居合で相手を一閃する.
蟲の呼吸 蝶ノ舞:戯れ(たわむれ)
超高速で身体の数カ所を同時に攻撃し,鬼を殺す毒を注入する.
※とにかくたくさん方があるので,もし興味がある方はこちらのサイトを参考にされると良いかと思います!
https://w.atwiki.jp/kimetsunoyaiba/pages/16.html
さて,ここまでは鬼滅の刃の呼吸についてみてきましたが,ここからは合気道も絡めていきましょう!
合気道を志す方の経歴は人それぞれであり,合気道の技1つとってみても微妙に異なっています.私は大学の合気道部に所属していたのですが,一人一人技に対しての考え方が違っていたりしたのが印象深かったですね!
ということは合気道における呼吸においても考え方が違っている可能性がありますから,まとめてみると柱の皆さんのようになるかもしれませんね…!!
合気道では1つの技をする時に,息を吸って吐くという1つの呼吸の中で技を完成させます.
相手の腕や手を上げる時に息を吸って相手のバランスを崩し,相手を倒す時に息を吐くという形です.
合気道の技というのは一見すると相手が跳ね返されたり,全然力が入っていなさそうで「どうやって技をやっているんだ…?」となると思います.実際合気道の技では『脱力』がとても重要です.しかし脱力していれば合気道を極められるというわけではなく,奥義とも呼べる動きが隠されています.
合気道の奥義の中の1つで最も単純で奥深いものが【呼吸】です.
そして合気道の【呼吸】はただ息を吸って吐くということを意味しているわけではありません.
私は次のように合気道の呼吸をまとめたいと思います.
相手の中にスゥっと自身の技が浸透していき,自身の動きの流れの中にまるで渦のように相手を巻き込んでいく.相手はいつの間にか渦の流れに巻き込まれており,気がつくと体勢を崩されている.この一連の流れのことを呼吸という.
どことなく鬼殺隊柱達が使う呼吸の奥義にも似たような一面があるのではないでしょうか??
合気道の呼吸を使いこなそうと思うと,最終的には「澄みきった心」が重要になります.邪念が入ってしまうと集中力が切れて技の精度が落ちてしますのです.
私は合気道は脱力こそが最重要であると考え,とにかく力を抜くことに専念した期間がありました.しかしそれだけでは合気道の技の精度はさして上がりませんでした.私は力を抜くことに意識を向け過ぎたあまりに「腑抜け(ふぬけ)」になってしまっていたのです…!!
腑抜けと脱力というのは全くもって意味が違うことに気づきました.脱力にはいくつかのポイントがあったのです.その1つに【呼吸】がありました.
まだ私は【呼吸】を勉強している身なので全てを理解しているわけではありません.ただ,技に対しての意識を変えるということはとても重要なことであると感じます.
意識の持ち方のコツとして「相手を意識しない」ということがポイントとなります.相手を意識しないということは自分の動きを自由にできるということです.
例えば今皆さんが渦を巻くようなイメージをもって動いたとしたらどんな動きをしますか?皆さんなりの渦の動きを表現するでしょう.
要はそこに相手が勝手に巻き込まれていくのです.あなたが渦をイメージして,そこに相手が巻き込まれていく.究極はそんな感じでしょう.
でもそこに「そんなイメージできない」「相手が強かったらどうしよう」「本当にできるの…?」「えっと..どうやるんだっけ?」といった技には関係ないことを頭の中いっぱいに考えてしまうので精度が落ちてしまうのです.
柱の皆さんをみていると技をする際に邪念はないでしょう.普段の稽古を極めて極めて極めて極めて極めて….最終的には『澄みきった心』を手に入れてあのような強い技を繰り出すことができるのです!
長々と話してしまいました.ここらで合気道の【呼吸】についてまとめてみましょう!
1.呼吸によって,相手の中にスゥっと自身の技が浸透していき,自身の動きの流れの中にまるで渦のように相手を巻き込んでいく
2.合気道の呼吸を使いこなそうと思うと,最終的には「澄みきった心」が重要になる
3.合気道の呼吸ではイメージが重要になる.極めることで相手はその流れに巻き込まれたように感じる
このようにしてまとめてみると,鬼滅の刃の原作者さんは【呼吸】を上手く可視化していますよね.奥義とは目に見えずわかりにくいものですが,鬼滅の刃での【呼吸】は万人にわかりやすくなっていると感じました.
みなさんはどんな呼吸を使いたいですか??
さていかがだったでしょうか?合気道を極める上では欠かせない【呼吸】について鬼滅の刃を通して見てきました.かなり奥深いですし,この辺りを理解しながらアニメをみるとまた新たな発見があるかもしれません.
皆さんにもそれぞれ相性のいい【呼吸】があると思うので,是非極めてくださいね!!
ではでは,今回はここらへんでお暇いたします.