とある合気道の修行者ブログ

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カント哲学と合気道① -カントとはどんな哲学者か-

こんにちは!

 

今回はカントの哲学と合気道の組み合わせでお話したいと思います!

 

哲学と合気道というのは結構相性がいいですね!似たような考え方があったりします.

 

でも意外と哲学との組み合わせというのが少ない…(というよりは合気道哲学という独自路線で語られることが多い)

 

合気道哲学というのは開祖:植芝盛平(うえしば もりへい)翁先生の口伝を弟子たちが取りまとめたものになっています.

私の道場では,高岡貞雄先生が研究された『道文』を合気道哲学(特に精神哲学)としています.

 

ただ,合気道哲学というのは読み解くのが難しい部分があり,私は東洋・西洋問わず哲学をしっかりと勉強する必要があるのではないかと考えました.

 

例えば『道文』は古事記の世界観が盛り込まれているので古事記を勉強しました.しかしそれでも理解が難しいものがありました.

 

ということで次は西洋哲学に目を向けてみました!まずはカントから行きたいと思います!

 

まずはカントとはどんな哲学者であるかということをご説明いたします.哲学者の考え方を知るためには,その人がどのような人生を歩んだのかということを知るのがとても大切です.

 

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・カントについて

イマヌエル・カント(Immanuel Kant)はドイツ(プロイセン)の哲学者です.父は馬具職人で少年時代から聡明でした.

16祭でケーニヒスベルク大学に入学します.大学では『自然学』を専攻しました.カントは自然学を通して物理学・数学・天文学など幅広く知識を獲得していきました.

46歳でケーニヒスベルク大学の哲学教授に就任します.

カントは気さくで真面目な性格だったようです.哲学者というと部屋でこもって1日中気難しい顔をしていると思われるかもしれませんが,カントは多くの人と交流を持っていました.しかし身体はあまり丈夫ではなかったため,食事はかなり規則正しかったようです.メニューや食事の時間,さらには散歩コースまで同じという徹底ぶりでした.

 

さて,大学教授に就任してからまず「感性界と知性界の形式と原理」という論文を書きましたが,なんとここから10年間も論文を出さない期間がありました(沈黙の10年).が1781年にカントといえばこの本と言える『純粋理性批判』(第一版)を出版しました.

 

純粋理性批判については後ほど解説いたします!

 

1787年に『純粋理性批判』(第二版)を出版,第一版から加筆しました.翌年に『実践理性批判』,1790年に『判断力批判』を出版しました.この3つがカントの3大批判書と呼ばれるものです.沈黙の10年があったかと思えば急に3大批判書が矢継ぎ早に登場するという…なかなかにすごいですね笑.

 

 

まずはカントについてご説明しました!

次はカントの哲学の導入に入っていきましょう!

 

・そこにあるものというのは本当の姿ですか?

今あなたの目の前には一体何がありますか?

家にいたら家具やベッドが見えるでしょうか?オフィスなら机やイス,外なら木やビルや橋が見えたりするでしょうか?

 

当たり前のことを言いますが,これらは今ちゃんと現実に存在しているのものですよね.あなたは五感を通して様々なことを認識したり感じ取っています.

 

 

でもそれって本当にそうなんでしょうか?

 

カントを勉強する中で私はふとこんな疑問を持ちました.例えば色…そうですね,黄色にしましょうか.私が黄色と認識する色と皆さんが黄色と認識する色は同じなのか…と.もしかしたら他の人には私でいう赤っぽい色が黄色と認識されていて,私は違う色を認識しているのかも?

 

なんなんだよいきなり.そんなもの考える意味なんてあるのか?と思われる方もいると思います.

私の大学の哲学の先生が教えてくださったのが「哲学は小難しいことをぶつぶつ考えることだけを指すわけではない.普段の忙しい生活から少し離れ,いつもと違う視点を持って当たり前について考え直してみることが哲学なのだ」ということでした.どんな些細なことでも視点を変えて見るとそれが哲学になる.みなさんも気軽に哲学できるということです!

 

色の話を続けますと,私たちが認識できる色は「可視光線」と言われており.7色を認識します.理科の授業などでプリズムを通して太陽光が7色に分かれる図を見たことがある方もいるでしょう.

しかし実際には色というのは他にもあります.色は光の「波」です.波長が長いと赤っぽい色,波長が短いと青っぽい色になります.この波長が赤色よりももっと長くなると「赤外線」になり,青よりももっと短くなると「紫外線」になります.

皆さんがたき火で温まれるのは赤外線があるからで,太陽光があなたの肌を焼くのは紫外線があるからです.

つまり私たちの認識外にも光の波が存在しているということです.

 

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ではこの地球上にいる生物の中で赤外線を可視光としている生物がいたとしましょう.この生物にとっては赤外線が飛び交う世界こそが自分たちの世界になります.

 

 

いかがだったでしょうか?今回はカントの説明と哲学とはどんな学問であるかについてご説明しました!

次回はカントの『批判哲学』についてご説明いたします!

 

ではでは.今回はここらへんでお暇いたします.